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【レポその1】7位入賞/世界選手権マッサージ大会

 2024年6月29日、30日にデンマークのコペンハーゲンで開催された【世界選手権マッサージ大会】に挑んできました!結果は、ウエルネス部門で7位入賞、国別総合で日本3位、動画Teaching部門で5名に入賞をいただきました。なぜ、この大会に挑もうと思ったのか、また大会で感じたことなどをご報告と共に、忘備録として綴りたいと思います。お時間のある時にお付き合いいただけたら嬉しいです。

 

ある1通のDMから

 

今回で7回目の開催となる世界選手権マッサージ大会。それまで無知で存在を知らずにいました。ある日、この大会のCEOという方からインスタにDMが届いたのです。

「無料の動画大会もあるから、エントリーしてみませんか?」といった趣旨の内容で、最初、新手の詐欺かと思い笑、英語の先生やいろいろな人に確認してもらいました。

「智子さん、これは本物みたいだから、エントリーしてみたら?」と言われ、サイトを見てみたら、リアルな大会もあるじゃありませんか。

「え、コペンハーゲン? 北欧?行きたい!」そこからでした笑

 

最後の一押し

実際にいただいたメッセージ
実際にいただいたメッセージ

 

元々、ジャパニーズオイルセラピーAtsuを考案したのも、技術を通して何かしら「日本」というものを世界に伝えていきたいという思いがありました。

 

世界中のセラピストが集まるこの大会で、その想いが一歩、前進できるかな…と、どんどん気持ちが高まり、よし!デンマークへ行こう!と決意しました。

 

それは昨年の10月のこと。

 

そうは言っても、英語も拙いのに行けるのかな…、北欧は遠いし、費用も結構かかる…、と、行きたいという気持ちと行動が追いついていかなくて、正直迷ってました。

そんな時、奈良出張でbalilabの島かおりさんに、大会の話をしたところ「一緒に応援に行きます!」と言ってくださり、さらには「私も大会に出ます!」と頼もしすぎるお言葉が。

それが今年の3月の話。それから、トントンとホテルと飛行機チケットを予約、4月初旬にドキドキしながら大会エントリーを済ませました。

 

香さんの後押しのお陰様で、最後の一歩をエイッと踏み出すことができたのですよね。一緒にチャレンジしてくれる仲間がいること、本当に心強くて心の底から感謝しています。

バリと日本の融合 オリエンタルジャムウ
香さんのサロン&スクールはこちら

それから更に大会に向けて、お互いに奈良と埼玉でオンラインミーティングを重ねて準備してました。

そもそも、この大会に出て何を伝えたいのか…、まずそこから考えてました。というのも、この大会のジャッジは表現力が重要なポイント。

大会ルール

50ヶ国以上、約200名以上のセラピストたち
50ヶ国以上、約200名以上のセラピストたち


ざっくりですが、大会ルールは9つのカテゴリーに分かれており、スエディッシュ、ウエルネス、イースタン、ウエスタン、タイマッサージ、チェアマッサージ、ボディシェイプ、スポーツマッサージ、フェイシャルがあります。

2日間の大会に、2回エントリー(2回施術する)できて、2日間同じでも、違うカテゴリーでもOKです。

そのカテゴリーごとに2〜4名のランダムにチーム分けされて、出場者は、必ず施術も受けます(モデルさんとして)。

2回の施術が全て終了したのち、各カテゴリーのファイナリスト1名が壇上で発表され、参加者の前で施術を披露し(この時は審査員がモデル)、更にTOP Of TOPを決めていきます

 

大会の趣旨に合うだろうか…という迷い

ドンと掲げられた旗がお出迎え
ドンと掲げられた旗がお出迎え

 

 Atsuは、動きが少なく「静」のオイルトリートメントと自負しています。さらに、Atsuを受けていただいた方のほとんどが「これは今まで受けたことのない感覚」と仰るくらい、新しい体感ともいわれます。

 

参加前に、少しでも情報を集めよう、と、昨年のアジア大会の審査員の方にもお話を聞きました(オザティ、本当にありがとうございました!)

 

やっぱりパフォーマンス重視だそうで「うーん、Atsuの評価は難しいかも」と思いつつ、「いや!Atsu式スタンスの安定感や、禅のように静かなトリートメントをやっている日本人がいることを知ってもらおう!」と、施術ポリシーは変えず行こう!と決意しました。

ということで、Atsu式スタンスを美しく見せる、禅の雰囲気を醸し出す、もちろん、クライアントさんを大切にし、おもてなしの心が伝わる施術をするにはと、研究を始めました。

持ち時間は65分。ただでさえ動きがゆっくりなAtsuなので、この時間割をどうするか結構悩みました。

 


トラブルの初日

大賑わい!みんな明るい!
大賑わい!みんな明るい!

 

コペンハーゲンには、北京乗り継ぎ14時間かけて大会3日前の夕方に到着。電車に右往左往しながら、なんとかホテルまで到着。季節は夏でベストシーズンとのこと。夜10時まで明るくおとぎの国に来たみたいな不思議な感覚。

そして、大会初日、ドキドキ緊張しながら会場へ。ホテルから徒歩5分くらいの場所。コペンハーゲンの素敵な街並みを眺めつつ、石畳が多いのでスーツケースの走行に苦戦しつつ笑(大会前に腕を痛めたらどうしよう…と密かに思ってました笑)

会場入り口に老若男女、さまざまな国の人が続々と集まってるのが見えました。「ついに来たんだ!」と緊張よりもワクワクの気持ち。

名札をもらって、チーム分けの名簿をチェック。しかし、ここでトラブル発生。香さんのエントリーしたカテゴリー名簿に名前が無い!

探したところ、なんと「スウェディッシュマッサージ」にカテゴライズされていました。私たちが初日にエントリーしたのは「ウエルネス」。ホットストーン、アロマテラピー、スパマッサージ、リンパドレナージュ、ホリスティックマッサージなどがこれに当たります。

 

手を繋いで会場する私たち
手を繋いで会場する私たち

 

ウエルネスは、セラピストが自由に表現できるカテゴリーですが、対してスウェディッシュは、『古典的なリラックスマッサージを含む西洋式マッサージ』とホームページにも記され、決められたテクニックを行うことが求められます。

同行通訳してくれたゆうだいさんに、受付に確認してもらったものの、最初は「変えられない」という無情なお返事。しかし、受付スタッフのインドネシア人のジェシカが粘り強く交渉してくれたおかげで、なんとかウエルネス部門に変更することができました。

 

カテゴリーが変わると、施術ルームもジャッジの人も違うのです。本当にヒヤヒヤでした。

 

聞けば、ジェシカも昨年の大会で同じ経験をしたそうで、落ち込む香さんを抱きしめながら、何度も何度も励ましの言葉を掛けてくれました。ほんと優しい…涙。

他にも同じようなケースや名札すら無かったなどのトラブルもあったようです。なので、エントリーした時の画面をスクショしておくことは必須ですね!

 

本当に良かった!

 


ついに施術スタート!

セッティングも時間内で終わらせられるよう練習してきました
セッティングも時間内で終わらせられるよう練習してきました

 

初日、私のチームは3人。インド人のパシャームとフランス人のディビッド。二人とも男性でした。順番に施術とモデルを繰り返すのですが、私は2番目の施術。

ひとつホッとしたのは、ベッドの高さをいつも通り下げることができたこと。Atsu式スタンスは体幹をニュートラル状態で、重みをかけていきます。そのため、股関節よりも10センチはベッドが下がっているのがベストなのです。

施術開始まで約10分。準備しながら、モデルのディビッドにカウンセリング、そして流れを説明しつつ、時間が無い〜と焦ってました。 ワクワクながら変な緊張がごちゃ混ぜの不思議な感覚だったのを今でも覚えてます。なので、この写真見ると、心拍が早まります笑

 

フランス大会チャンピオンのディビッド。こんな素晴らしい方と組めてラッキーでした
フランス大会チャンピオンのディビッド。こんな素晴らしい方と組めてラッキーでした

 

ウエルネスの会場は、とても窓が大きくて明るかったのが印象的でした。外の木々が美しく、途中雨風が強まってましたが、なんだか自然の中で施術しているような感覚。

「いつも通りで大丈夫、楽しもう」と自分に言い聞かせたものの、やっぱり緊張はありました。でも心理学の学びでお世話になっている今野先生の「無私の心」を思い出し、ただひたすらにディビッドの体、自分の体だけに意識を向けました。

静かにゆっくりと動きながら、体の深くにアクセスしていくような感覚。いつしか焦りや緊張が抜けて「今ここ」を楽しんでいる自分。

途中、インスタライブ中継中のCEOのJeppeさんが、入ってきて出場者一人一人を紹介してくれてました。私の時は名札を見て「TOMOKO〜、TO、MO、KO〜」と何回か連呼してました、なぜ?笑。

 

今回、施術の意図を紙に書いて、ベッド近くに置いたのですが、それも映してくれて「こんなふうに説明があると審査員に親切だね」といった趣旨のことを言ってくれていたみたいです(全く聴き取れず…、あとで通訳さんがインスタアーカイブに映っている動画を解説してくれました)

 

香さん1回目の施術。アメリカ人のモデルさん
香さん1回目の施術。アメリカ人のモデルさん

 

施術が終わった後、ディビッドから「あなたの施術はとても的確だった」とお褒めの言葉をいただきました。フランス大会チャンピオンに褒められて大喜び。なにより、フランス語の素敵さにちょっとメロメロしてました笑

 

ほんと、ナイスガイです。

 

ウエルネスのジャッジの皆さん、とても温かい雰囲気で優しかったですよ〜。施術中、ベッドの近くに立ち止まっては、下から覗き込んでスマイルをくれたり。

ジャッジの皆さんのおかげで、会場が優しい空気感に包まれていた気がします。また大会参加者の皆さん、とても素敵な方ばかりで目が合うとお互いに微笑みあってました。やっぱりセラピストって優しいですね。

そんなこんなで無事1日目が終わり、帰宅の途へ。そして2日目に挑んだのでした。